沼に落ちて。

ほぼ100%宝塚

東宝1789新人公演を観ました①

7/2、18:30。
ぐずつくお天気が心配されながらも、なんとか雨は降らなかった昨日、月組「1789」新人公演が行われました。

<追記>

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2階A席上手にて観劇してきましたので、超・偏りまくりのレポを残します。
客観的なレポを期待する方は他のブログを参考にされるなり、twitterでサーチして下さい←


  • 全体として
「本役さんってスゲーな」って思えた公演でした。
月組の新人公演メンバーの技術や立ち振る舞いが未熟だった、見応えがなかったと言うわけではなく、「経験という引き出しを沢山持った人たちが、数をこなす中で公演を自分のものとする」って、当たり前のようで大きなことなんだなと。

バズルのピースのような感じ。
本公演1789は、多数のピースのそれぞれが繊細に丁寧に狂いなく形作られていて、どのセリフ、場面をとってもピッタリ隙間なく、しかも無理なく嵌る感じがする。本当にスッと入る。
新公はそれぞれのピースがきちんと嵌るように最大限の努力はしているし、嵌っていないわけではないのかもしれない。ただどこか隙間が空いていたり、無理があったりするような。そんな落ち着かなさがある。

しかし月組フルメンバーの本公演ですら「こりゃーしんどいわ……」と思わざるを得ないこの作品を、研7までのメンバーであそこまでの完成度に持っていけたのもまた紛れもなく月組下級生なわけで、そこはもう最大級の賛辞をお送りしたい。

主演の2人以外、とにかく少しの暇もなくアルバイトしまくり、一体ひとり何役やっているのか。舞台裏を想像するだけで泣きそう。
みんなすごい。よく頑張った。たぶん私の想像の何倍も。


  • 演出脚本とか
本公演実質2時間30分を、幕間なしの短縮版1時間55分で上演。
いくつかカットされたシーンはあったものの、話の大筋としては本公演をそのままなぞる形で、物語前半をバサッと切って仮面舞踏会から始めたロミジュリ新公とは全く違いました。

カットされた場面や変更になった演出はどこだったか…本公演はもう何回も観ていて、新公観劇中は「あーあそこがない!」って思いながら観ていたのに、今具体的に思い出そうとすると上手く出てこない。

アントワネットのギャンブルのシーン「全てを賭けて」がなく、アルトワ伯と秘密警察3人による説明(アントワネットはギャンブルに興じていて、国王は錠前作りに夢中で、王太子の身体が悪い等々)になっていたり。
バスティーユ監獄から逃げ出したロナンとオランプの背後(本舞台)にバスティーユ要塞のセットがなかったり。
本公演1幕最後の、会議場門前のパンパポパンがなかったり。三部会もない。
「カフェで昼間働いてるの」と言うソレーヌとロナンとのやりとりが、上手舞台端で行われたり。
改良したギロチンを見てくれと出てくる国王陛下とアントワネットのやりとりが、途中まで幕の前で、後ろが広間のセットじゃなかったり。

他にもいっぱいあったと思う。
本公演と違う演出、舞台装置の使い方に気付く度、「あーあそこ好きなのに!」となって少し寂しかった。
新公だから仕方ないと分かりつつ。

物語の大筋を壊すことなく綺麗に短縮版としてまとめた新人公演担当の谷 貴矢先生(失礼ながら私は初めてお名前聞きました)にはお礼申し上げたい。
少なくとも私は、ロミジュリ新公のやり方よりこちらの方がずーーっと好みです!!
だってロミジュリ新公のマーキューシオさん「マブの女王」歌わないんだよ…!?


  • 出演者それぞれ雑感
最初に。

あーさ(朝美絢)演じるアルトワ伯出演シーンは、ほぼ100%彼女しか観ていません。

よって肝心の場面で肝心の人を観ていないこと前提での感想ですので、その辺りご承知下さい。
人選も私の思いつくまま。

◆ 暁千星  ロナン・マズリエ(本役:龍真咲)
大健闘していたと思う。
歌も想像よりずっと上手だったし、ちょっと歌の苦手な上級生スターと比べたら普通に聞ける。昨年の「明日への指針」新公から1年、成長っぷりは著しく相当に苦しみ頑張ったんだろうな、と。

ただセリフに関しては今もところどころ気になるところがあるのは確かで(舌足らず?時々急いてセリフが畳み掛けるように駆け足になる)、このまま路線真っしぐらで行くのであれば(劇団としては間違いなくその方向でしょう)、早めに克服して欲しいと思うところ。
あとお歌で語尾にビブラートかけようとして?下顎が震えるのは癖なのかしら。

歌は想像より上手かった…が、改めて認識させられた本役・まさおの上手さ。
所謂「まさお節」によって好き嫌いの分かれるまさおではあるけれど、この1789という作品において彼女の声の持つ「艶っぽさ」は大きな魅力だと私は思っていて、ありちゃんの歌声にはそれがなかったなーと。

サイラモナムールの赤ジャケットは、本役まさおのものなのかな。やや小さく見えたのだけれど。
球技場のボディパは力強い踏みしめ音でした。これに関しては本役超え間違いなしです。←

◆ 美園さくら  マリー・アントワネット(本役:愛希れいか)
貫禄のアントワネット。99期生にして「金持ちのマダムさんよぉ」のセリフがちゃぴより似合う王妃様。
しかしよくよく観ているとやはり99期生は99期生だけあって、可愛らしいお顔。
お歌が上手いことからの抜擢かな?もう少し学年が上がり、色んな意味で慣れてきたらもっと伸び伸びと実力発揮をしてくれそうなそんな予感。

ふとしたセリフ、歌がちゃぴによく似ていて、「今のちゃぴ…!?」ってなることもあった。
よく見てたんだろうなあ。


……出演者雑感、まだまだ続きそうなので、次回に回します。
一体何回に分かれることやら……www